時の栞・翡翠工房

速すぎる時の流れに栞を挟みたい 一日一日が特別な日になるように ☆写真と俳句で綴る日々の出来事☆

いきもの係☆3 ヨークシャテリア ジョン


ヨークシャテリアのジョンは、私が幼稚園の頃に
近所の人から貰い受けました。

一応、血統書付の由緒正しき奴でしたが
貰われたときは、病弱でお腹をすぐ壊し、いつも下痢気味
やせっぽちで とてもヨークシャテリアには 見えませんでした。

そんなジョンでしたが、祖母が毎日 お味噌汁の残り汁や
ラーメンの残り汁で作った 雑炊?の餌を食べ 健やかに
育って行きました。

10歳くらいのときでしょうか、チビのくせに負けん気が強く
飼い主のおじいそっくりに 成長したジョンは、とにかく
目の前にいる 他の犬には全力で吠え、立ち向かう困った奴でした。

そんなある日、家の前を通りかかったド―ベルマンに、ケンカを売るという
前代未聞のことを成し遂げました。

が、相手は警察犬にもなれる ド―ベルマンです。
デカイ 強い!

止める間もなく 喉元を噛み切られ、見に行ったときは
虫の息でした。

その当時、近所に動物病院もなく、毛布にくるまれ 血だらけの首元に 
赤チンをありったけ塗られたジョンが土間に寝かされていました。

「ジョン・・・死ぬんかな。」

みんな そう思っていました。

・・・が、こいつ食欲だけはハンパなくて 首がちぎれそうでも
餌だけはがっついていました。

数週間後、奇跡の復活を遂げたジョンは 相変わらず他の犬に
ケンカを売りながら 平穏な毎日を取り戻しました。


晩年は、足も弱り目も悪くなり 近づくと ウウウウウ~と
威嚇するように なりました。
「ジョン!ジョン!」と声をかけると 声は覚えているらしく
私だと分かると、弱々しく尻尾を振って寄って来ました。

そんなジョンも17年ほど生き 天寿を全うしました。
今頃、おじいと会えているかも知れません。